伊方集会・抗議及び申し入れ


四国電力株式会社

社長 佐伯勇人 殿


 私たちはこみ上げる大きな怒りと一筋の希望を持ってここに集まった。


伊方集会として、私たちは29年前からこの地に集まっている。

伊方原発反対八西連絡協議会に至っては、42年前から原発の危険性を訴え、過酷な裁判の場でも戦い、子孫に禍根を残さぬために伊方原発を止めよと貴社に言ってきた。

 しかるに、あなた方は私たち住民の声を聴くことをせず、私たちの心配したとおりの4年半前の311日の福島原発事故が起きてさえも、伊方原発再稼働をもくろみ完遂しようとしている。

 あなた方は政府と画策し、愛媛県議会を操り、周辺市町や顧客である私たちを無視し踏みつけ、おカネをばらまき、私たちのかけがえのないふるさとを奪おうとしている。

 そして、私たちを恐れ、面会を拒絶し話し合いの場を持たぬばかりでなく、このように鉄条網を張り巡らし、警備を強固にし、問答無用の接遇に徹している。

 私たちの何を恐れるのか?

あなた方が恐れねばならぬのは、もうすぐそこに来ている南海トラフ巨大地震と巨大津波であり、大地を動かし日本一長い半島「佐田岬半島」を造り、豊かな漁場・瀬戸内海を造った中央構造線活断層の巨大地震ではないのか。

 「安保法制」が作られた今、安倍首相が恐れるテロの脅威も現実化し、伊方原発は標的となりうるだろう。国は、意図的に航空機が原子炉に突入した場合も「原則、事業者が対応」といっているが、あなた方が本当に対応できるのか。


 即刻、今までの原発稼働で生まれた使用済み核燃料や放射能にまみれた機器等の防災対策に全力で取りかかるべきだ。


 安倍首相は「伊方原発事故が起きれば国が責任を持って対処する」と「明言」したという。

では、福島原発事故の責任を取っているのか?

メルトダウンによって一度溶けたあと冷やされて塊になった高レベル放射性廃棄物、燃料デブリの状態さえすべての炉内で分かっておらず、今も毎日300トンの汚染地下水が海にダダ漏れになっている現実。収束作業にあたっている作業員が「まるで戦場」と言いながら、命を削りながら働いている現実。労働者の被ばく線量の引き上げ。高濃度放射能汚染地に帰還せよ。住宅支援は打ち切る。甲状腺がんと事故の関係は認められない。-と棄民政策を行っている政府なのだ。

 まったく信じられない「迷言」である。

 事故はまた必ず起きる。悲しいけれど、これは政府もあなた方四国電力も私たちと唯一共有していることだ。

 あなた方が福島原発事故で学んだこと、それは、事故が起きてどのような状態になっても、誰も罰せられないし、営業を継続できる、ということなのかもしれない。



しかし私たちが学んだことは、原発事故は収束不可能であり、全ての命が傷つけられること、取り返しのつかない放射能汚染を地球規模で引き起こすこと、未来への責任として原発は即刻廃炉にせねばならないということだ。


 私たちはふるさとから避難しない。

出ていくのは四国電力伊方原発である。一企業であるあなた方が、私たちの命と生活を脅かし、この海や大地を放射能で汚す権利などない。


 佐伯社長は、愛媛県東温市がふるさとであるとのこと。

どうか一緒に、ふるさとを守っていきましょう!!

社員の皆さんを被ばく労働から守るべきです。


伊方原発の再稼働を止めると決断するよう強く申し入れます。


 20151011

                  

原発さよなら四国ネットワーク

                  伊方原発反対八西連絡協議会